発達性ディスレクシアって知っていますか?~STの立場から
2016 / 04 / 23 ( Sat )
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茅ヶ崎市障害福祉課主催の自立支援協議会に、バオバブの樹の沖村先生が講師として登壇しました。
発達性ディスレクシアって知っていますか?~「STの立場から」と題して、発達性ディスレクシア当事者のSくん、Fくんも一緒に発達性ディスレクシアの人たちの「心の声」を届けてくれました。
参加者は、地域で支援をしている事業所の人たちで、約30名の参加者がいました。

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発達性ディスレクシアのこどもは、読み書きが全くできないわけではありませんが、スピードが遅く、間違えも多くなってしまいます。そのスピードと正確さの問題が学習全般に影響を及ぼしてしまうのです。

Sくんが教えてくれた「恐怖の負のスパイラル」です。

負のスパイラル:授業中に先生が黒板に何か書く⇒板書しようとする⇒先生が話をする⇒先生の話を聞きながらノートを取ろうとすると、字はメチャクチャになってしまい、先生の話も理解できない⇒先生が黒板を消して、次の内容に移ってまた黒板に何か書く。(最初に戻る) border=
Sくんにとって、授業の板書は大変です。「書く」作業に対してものすごく集中しないと、読める字が書けないのです。
がんばって、がんばって、先生の話を聞きながら板書しようとした結果として・・・先生の話も理解できず、ノートの字は自分でも読めないような字になってしまい、授業が理解できなくなってしまう。勉強したいのに勉強できない、つらい思いをしてきました。


Fくんも、板書では苦労してきました。
負のスパイラル2:前を見て黒板を見る⇒ノートに書こうとして下を向く⇒その間に黒板の内容を忘れている⇒もう一度前を見て黒板を見る(最初に戻る)
「よく、苦手なんでしょ、やらなくていいよ、と言われるが、やりたくないわけではない。自分に合った方法で勉強したい。」と、Fくんが教えてくれました。


苦手な練習は、何度も繰り返しても習得できず、「骨折り損のくたびれ儲け」で嫌いになってしまいます。そして、拒否感、抵抗感を生み出してしまい、本人の「学ぶ意欲」を減退させてしまいます。でも、「苦手なんだから、やらなくてよいよ。」で良いのでしょうか?当事者たちもそういう配慮は望んでいません。苦手なことに対して、その本人に合った「確実に知識を得ることにつながる」プロセスで、学んでいきたいのです。

学校の先生の理解のある対応として、授業中、ノートをとるための時間を作ってくれて、「聞く」作業と「書く」作業を分けてくださる先生もいます。
プリントを活用してくれて、書く作業を減らしてくださる先生もいます。
読み書きの苦手なこどものための配慮をクラス全体にしてみたら、他にも助かるこどもがいた、と気が付いてくださった先生もいます。
そのような理解のある先生が少しでも増えていくように、バオバブの樹はがんばっています。


「社会に出たらそんな配慮がないから」という理由で、学校では必要な配慮が受けられないことも多く、社会が変わらなければ学校は変わらないのです。
日本の社会全体に、「苦手なことは努力で克服しなければならない」という考え方が広く根付いていますが、努力して克服できることならば努力した方が良いのですが、努力しても克服が難しい苦手に対して努力を強いられたら、そのこどもは追いつめられてしまいます。追いつめられてしまうと、別の分野での能力はあるのに、その能力を伸ばせず道が閉ざされてしまいます。
苦手なことの克服を目指すのではなく、得意なことを伸ばす教育、社会を目指して、バオバブの樹はさまざまな方面で理解を求めていきます。


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